皆さんこんにちは、はつまいです。
過去の記事で物件を探すための準備と、おすすめの物件サイトを紹介しました。
物件探しをしていると、相場よりも安い「お値打ち物件」が存在します。
やったー!毎日物件サイトを見ていて、ついに割安物件見つけた~!!
と喜びたい気持ちはとってもわかります。
ですが、喜ぶのは物件の詳細を確認してからにしましょう。
もちろん売り主の理由で、相場よりも安い価格で売りに出しているパターンも考えられますが、安い物件には大抵それなりの理由があります。
そこで今回は初心者が手を出すには難易度の高い物件「再建築不可物件」を紹介していきます。
初心者が避けるべき物件シリーズ第2弾はこちら↓↓
再建築不可物件
再建築不可物件とは、今現在は家が建っていたとしても、一度建物を解体して更地にしてしまったら新たに家を建てられない土地のことを指します。
名前の通り、家の「再建築」が「不可」ということですね。
日本では建築基準法という法律が定められており、その中に
建物を建てる時は、その土地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない
という接道義務が課されています。
つまり救急車や消防車など、緊急車両が入れる十分な道幅を確保してね。ということです。
たまに救急車が入っていけないような狭い道に面して建物が建っていることがありますが、そのような道に建物が密集していると火災が起きたときや救助が必要な場合、車両が通れず救助活動がスムーズに行えません。
そういった弊害をなくすために1950年に建築基準法が設立されました。
ようは皆さんの安全を守るための法律ということですね。
実際どういった物件が再建築不可になるかというと、
- 道路に接していない建物
- 道路に接している道の幅が2m未満の建物
- 接している道路が建築基準法に準じた道路ではない建物
このような建物がまとめて「再建築不可物件」と呼ばれています。
逆に④のように、建築基準法による道路に接していて、接道路が2m以上の建物は再建築可能物件となります。
デメリット1:出口戦略
これを聞いて、
自分が所有している間は建物を解体したりしないし、別に関係ないよね?
そのまま売っちゃえば良いし!
と思った方、その考えは一部正しくもありますが、一部間違っています。
なぜかというと、再建築不可物件は出口戦略が非常に難しいからです。
【出口戦略】 ・売却するか? そのまま売る? リノベーションする? 更地にして土地売却する? ・長期保有するか? ・自宅にするか? ・相続するか?
不動産投資では、出口戦略が最も重要で最も難しいと言われることがあります。
うまく運営して、頃合いを見て売却しよう!と思っていても想像以上に買い手がつかない、という話はよくあります。
特に再建築不可物件は融資がつかないことが多いため、販売価格を安く設定していても現金で買えるような買い手を見つけない限り販売ができないことが多いです。。
高金利で融資付けをしてくれる金融機関もありますが(ノンバンク系)、高い金利を払ってわざわざ再建築不可物件を買いたい人が市場にどれほどいるでしょうか?
安易に再建築不可物件に手を出してしまうと、
買い手がつかずに建物が老朽化し、結局解体費用がかかってしまった
安く購入できたが、それ以上に安い価格で売却することになってしまった
といったことになりかねないので注意が必要です。
デメリット2:再建築不可
名前の通り、建物の再建築ができないので、震災や火災などで建物が倒壊してしまった場合、新たに建物を建てることができません。
また、更地にしたとしても有効な活用法があまりありません。
例えば更地にして、
①駐車場を運営する
→そもそも再建築不可物件があるのは狭い道や接道に難がある場所ですので、そんな場所にわざわざ駐車場を借りる人も少ないでしょう。
②倉庫を運営する
→大きい荷物や資材を運ぶのに狭い道は運びにくく、こちらも最適な活用法とは言えません。
よって建物が崩壊してしまった場合、その土地は何も価値を生まないどころか固定資産税だけがかかるお荷物な土地になってしまう可能性があるということです。
デメリット3:建物の耐久性
再建築不可物件である、ということは建築基準法が制定される前からある古い建物である、ということになります。
もちろん再建築不可物件であってもリフォームは可能ですが、建物の建て替えではないため、必然的に建物の安全性は低くなります。
メリット1:価格が安い
再建築不可物件のメリットはなんといってもここでしょう。
相場よりも7割前後安くなることが多いです。
ただし、裏を返せば自身が売る側になった場合、高額で売りにくい、ということなのでこのメリットはデメリットと表裏一体といえるでしょう。
メリット2:高利回りを期待できる
再建築不可物件だからといって、家賃が相場より低くなるわけではありません。
住む人にとっては、再建築ができなかったとしても何も影響がないからです。
(厳密に言えば、災害時に緊急車両が通りにくかったりする問題があるのですが、借り手はそこまで気にしていません。)
よって、家賃は相場と同等の額で設定することができます。
再建築不可物件は建て替えはNGですがリフォームはOKですので、中身を変えて付加価値を付ければ客付けもできると思います。
仕入れ値が安く、家賃は相場価格で設定できるので高利回りを期待できます。
業者の売り文句に注意しよう!
再建築不可物件のメリット・デメリットを比較すると圧倒的にデメリットの方が強い気がしますね。
ただ、業者の中にはあらゆる売り文句で再建築不可物件を勧めてくる業者もいるので注意しましょう。
隣地を買って(または借りて)接道義務を満たせば高く売却できる
例えばこのような売り文句ですね。
隣地から土地を借りたり購入したりすると、結果間口が広がり建築基準法を満たす建物にすることができます。
ただし、あくまでも「隣地を購入(または借用)できた場合」です。
そんな簡単に隣地の所有者が土地を売ってくれるかもわかりませんし、たとえ売ってくれたとしても再建築不可物件の間口を増やすためにどうしてもうちの土地が必要なんだな、と思われた場合、強気な価格設定にされてしまうかもしれません。
いずれにしても不確定要素が大きい「隣地の購入」が、上記で挙げたデメリットを打ち消すだけの魅力的な解決策にはならないことがわかると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
【デメリット】
【メリット】
一見するとお買い得に見える再建築不可物件ですが、初心者が手を出すにはあまりに問題が多い物件であることがおわかりいただけたと思います。
もちろんご自身でしっかり出口戦略を立てられて、勝算があるのであれば価格の安い再建築不可物件の購入も検討の余地があると思いますが、戦略が立っていない状態での購入はリスクが大きいことを知っておきましょう。
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コメント
最近、更地にして駐車場が増えてきた理由もここにあると思いました。不動産所有って奥が深いですね。ありがとうございます。
armlockさん、初めまして。こちらこそコメント頂きましてありがとうございます。
最近は古い土地の活用方法に悩んでる地主さんも多いみたいですね。
他の不動産記事も執筆しておりますので宜しければ是非またお越しください。